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紙の豆知識

◎紙の原料

紙は木から出来ているものがほとんどです。(中には、サトウキビ・ケナフなどの植物から作られた紙や、石油や石から作られた合成紙もあります。)
原料になる木は、<広葉樹>と<針葉樹>を使い分けています。

広葉樹

木の繊維が短い。柔らかく、きめ細かな肌合いの紙ができるが、強度が低い。

針葉樹

木の繊維が長い。強度が高い紙ができるが、荒い肌合いの紙になる。

用途に応じて、<広葉樹>と<針葉樹>を適切な比率にブレンドして、紙は作られています。特に成長の早い<広葉樹>の植林は世界で多数行われており、持続可能な森林資源づくりが世界中で推進されています。また古紙の利用も盛んに行われており、日本の古紙回収率は世界第2位の78%を誇ります。(2012年統計)


◎紙の作り方

機械での紙の作り方を簡単にご説明すると…

①木を粉々に砕き、蒸してほぐす。(図1)
②紙の原料になる繊維を取り出し、漂白する。(図2)
③水に溶かしてドロドロにし、色付きの紙は着色をする。
④抄紙機(しょうしき)という巨大な機械で作ります。
ベルトコンベアにドロドロの繊維を乗せ、 脱水や乾燥や加圧をしながら機械の中を進んでいきます。
⑤巻き取って巨大なロール状にする。
⑥ロールからシート状にカットする。

以上のような行程で紙はできています。

図1

図2


◎紙のメナリ

機械で作っている紙には必ず「紙のメナリ(紙の目)」というものがあります。これは抄紙機という機械で紙を作る際、水でドロドロに溶かした木の繊維を、網状になったベルトコンベアの上に流しながら、脱水や乾燥や加圧をしながら巻き取ってきます。この時に流れていく方向に沿って繊維がタテ向きに揃って出来上がります(これをタテ目といいます)。

そして巻き取った紙をシート状態に裁断するとき、タテ長に裁断するかヨコ長に裁断するかによって、(タテ目)のままの紙とヨコ向きに繊維が揃った紙(ヨコ目)の紙が出来上がります。

(タテ目)の紙

長い辺と平行に裂きやすく、
長い辺と平行に折りやすい。
短い辺の長さが伸縮しやすい。

(ヨコ目)の紙

短い辺と平行に裂きやすく、
短い辺と平行に折りやすい。
長い辺の長さが伸縮しやすい。


※矢印は紙の繊維の流れを表示しています

例えば、新聞紙にも裂きやすい向きと裂きにくい向きがあるのはそのためです。ハガキなどの厚い紙をタテ方向とヨコ方向に折ってみると、折りやすい方向と折りにくい方向があるのも紙に「メナリ(目)」があるからです。

紙を丸めて筒状にする場合、「メナリ(目)」に対して平行に丸めれば巻きグセが付きにくいのですが、「メナリ(目)」に対して垂直に丸めると巻きグセが付いて、平たく伸ばした状態には戻しにくくなります。ポスターなど、丸める作業があるときは注意が必要です。

ちなみに「手漉き和紙」には「メナリ(目)」がありません。タテ向きにもヨコ向きにも、水で溶かした木の繊維を流し込みながら作っているからです。


◎紙は生きている!?

「紙が生きている!」というのは大げさかもしれませんが、紙は呼吸をしています。
湿度が高いと湿気を吸い、湿度が低いと湿気を吐き出します。これは、水分で紙の繊維が膨張したり収縮したりしているのです。微妙にサイズも伸びたり縮んだりしています。紙の全面で均一に湿気を吸ったり吐いたりすればよいのですが、紙端ほど乾湿の影響を受けやすいです。

紙1枚ではなく何枚も重なっている状態のときは特に顕著で、紙の中央付近は伸縮せず紙端ほど伸縮するので、紙端が波打ちしたり、紙全体がお皿のように中央付近が凹んだ状態になったりします。また、片面だけ乾燥または湿潤した紙は、反り返ります。一度このような状態になった紙は、なかなか元通りの状態に戻すのは難しいので、紙の保存はできるだけ外気に触れないよう、袋に入れておくか元の包装紙で包んで密封したほうがよいでしょう。


◎紙のサイズ

紙の代表的な規格サイズには、A列とB列があります。A列はドイツで生まれた国際規格サイズで、B列は日本で生まれた独自の規格サイズです。 どちらも日本工業規格サイズ(JISサイズ)です。

A列B列、どちらのサイズもタテ・ヨコの比率は1:√2になっており、半分に折っていっても1:√2の比率が変わらない、合理的なサイズになっています。

日本工業規格サイズ(JISサイズ)です

名称

寸法(mm)

名称

寸法(mm)

A1

594×841

B1

728×1030

A2

420×594

B2

515×728

A3

297×420

B3

364×515

A4

210×297

B4

257×364

A5

148×210

B5

182×257

A6

105×148

B6

128×182


◎紙の厚みの指標  米坪(g/㎡) と連量(kg)

米坪(g/㎡)

紙1枚の1平方メートルあたりの重量を表しており、米坪(べいつぼ)とも言います。例えば、よく使われているコピー用紙は米坪が(64g/㎡)となっており、コピー用紙を1m四方の紙に換算してみると、重量が64gあるということになります。

紙の厚みを知るための指標になっておりますが、同じ米坪(g/㎡)の紙でも 種類が違えば必ずしも同じ厚み(μm)とは言えません。これは紙の繊維の密度が、種類によって違うことに起因します。

連量(kg)

一定のサイズの紙を1,000枚重ねた時の重量を表しており、連量(れんりょう)と言います。板紙(いたがみ)と呼ばれる分類の紙(ボール紙など)は100枚を重ねた時の重量を表しています。
紙の厚みを知るための指標にもなっており、同一比較するためにシート状態にカットされた原紙の4/6判(しろくばん 788mm×1,091mm)というサイズの連量を基準に言うことが多いようです。

紙の厚みの指標になっておりますが、同じ連量(kg)の紙でも種類が違えば必ずしも同じ厚み(μm)とは言えません。これも紙の繊維の密度が、種類によって違うことに起因します。

◎プリンター使用時のご注意点

お使いになられるプリンターの取扱説明書を見ていただくと、使用可能な紙厚と設定が表記されておりますので、ご確認ください。g/㎡(米坪)で表記されている場合と、kg(連量)で表示されている場合がございますので、十分ご注意ください。

◎プリンター適性について

プリンターの機種やインク量、紙厚、連続給紙枚数、温度・湿度等の室内環境など、様々な条件の組み合わせによって、うまく出力できない場合があります。適性はあくまでも目安としてお考えいただき、ご使用の際は必ずテストプリントを行い、ご自身の責任の範囲でご利用いただけますようお願い申し上げます。

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